中国の一人当たりGDP(国民総生産)が2003年に1000ドルを越えた(1096ドル)。これは誠に慶賀に耐えないことだが、1000ドルが世界の中でどの程度のレベルにあるかは正確に認識しておくべきだろう。
世界銀行の『世界開発指標』は毎年、一人当たりGNI(国民総所得)*で世界の国の発展レベルをランキングしている。その2004年版を見ると、2002年データによって以下のような物差しを用意している。
低開発国 735ドル以下
下位中所得国 736-2935ドル
上位中所得国 2936-9075ドル
高所得国 9076ドル以上
中国は1999年にはじめて低開発国を脱し、下位中所得国入りして、現在、下位中所得国の下位に分類されている。ランクングでは世界第136位に位置している。ちなみに、香港は2万4690ドルで第16位にあり、韓国は9900ドルで53位、日本は3万4010ドルで7位である。台湾は世界銀行から締め出されて記載がないので別のデータで補足すると、1万1000ドル程度で韓国より上位にあると思われる。
この一人当たりGDP1000ドルを倍増させて2000ドルにするのが、中国の当面の目標であるが、果たしていつまでに可能であろうか。
『中国国情国力』2004年第5期掲載の李暁超等論文によると、アジアNIESの一人当たりGDPの成長実績は、下表のようになっている。一人当たりGDPが、香港は1971年1000ドル達成、以後8年かかって1979年に2000ドルとなった。台湾は1976年1000ドル達成、以後10年かかって1986年に1000ドルとなった。韓国は1977年1000ドル達成、以後9年かかって1986年に1000ドルとなった。
ただし、これは世界的に成長が著しかったアジアNIESでのことであり、ブラジルは1975年に1000ドルを達成したが2000ドルとなるのに22年を要し、アルゼンチンは31年、メキシコは18年を費やした。
一人当たりGDP成長率が年率6-7%以上の高度成長ならば10年位で2000ドルとなるが、4%以下の低成長ならば20年を要する。この前者の成長路線を中国が目標としていることは言うまでもない。
仮に首尾よく2010年以後に一人当たりGDP2000ドルが達成されたとしても、そのとき中国はなお下位中所得国で、発展途上の大国であることに変わりはないのである。
*国民経済計算は生産、分配、支出の3面の要素から計算されていて、生産から見たのがGDP、所得から見たのがGNIである。実額において一人当たりGDPとGNIとは大差ない。
| アジアNIESの一人当たりGDPの成長実績 |
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| 国・地域 |
一人当たりGDPが1000ドル
になった年 |
以後の2002年までの
経済成長率 |
一人当たりGDPが2000ドル
になるにかかった年数 |
| シンガポール |
1971 |
6.9 |
9 |
| 韓国 |
1977 |
6.9 |
10 |
| 台湾 |
1976 |
7.3 |
10 |
| 香港 |
1971 |
604 |
8 |
| マレーシア |
1977 |
604 |
12 |
| タイ |
1988 |
5.8 |
8 |
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| (資料)『中国国情国力』2004年第5期 |
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