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そこで、「外交に関する世論調査」のフルデータを内閣府大臣官房政府広報室から取り寄せ、最近の中国嫌いについてもう少し詳しい分析を試みてみた。
まず、ホームページに掲載されている2008年世論調査の簡略データ分析から見ていこう。(「中国に対する親近感(2008年)」http://www8.cao.go.jp/survey/h20/h20-gaiko/images/z09.gif )。このグラフから内閣府大臣官房政府広報室が読み取っているのは、以下の2点である。
(1)性別に見ると、「親しみを感じる」とする者の割合は男性で、「親しみを感じない」とする者の割合は女性で、それぞれ高くなっている。
(2)年齢別に見ると、「親しみを感じる」とする者の割合は20歳代で高くなっている。 |
しかし、2008年だけを眺めていても数値は読めない。年度相互の比較が有効だが、以下では2008年から5年さかのぼって、第二段階の末年の2003年と第三段階最新の2008年との変化を読みとってみよう。
| 図表1 中国に親しみを感じる・感じない性別2003-2008比較 (単位%) |
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図表1は、性別の「中国に親しみを感じる・感じない」データを2003年と2008年で比較したものである。ここから、2008年のワースト親近感を主導したのは女性の「中国に親しみを感じない」の増大であり、とりわけ主婦の中国嫌いが寄与していることが知れる。
| 図表2 中国に親しみを感じる・感じない年齢別2003-2008年比較 (単位%) |
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図表2は年齢別の「中国に親しみを感じる・感じない」データを2003年と2008年で比較したものである。ここからは、指摘できるのは2点。第1には、5年前には総じて5割を切っていた中国嫌いが、にわかに増大して20歳台の若者までもが6割方中国嫌いに転じている。第2には、中国嫌いの増大を主導したのは50~59歳、60~69歳のおじさん・おばさん、それに70歳以上のおじいさん・おばあさんである。この世代は、36年前の日中国交回復以降の中国及び日中関係を同時代史として体験的に知っている世代であり、自己の意識の中で中国好きから中国嫌いに転向した自分史をもっている。
| 図表3 中国に親しみを感じない性別年齢別2003-2008比較 (単位%) |
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次に図表3は、「中国に親しみを感じない」を性別・年齢別に比較したものである。2003年、2008年のほかに中間に2005年調査を挟み込んだ。比較年を増やしたのは、2005年は中国で反日デモが起こり中国の反日教育が日本人の憤激の対象になり、また2008年は中国製食品に対する不信が拡大したが、両事件に対して反応する性別年齢別層は異なるのではないかと推測されるからである。
図表3を見ると、男性と女性で年齢別の図形が著しく異なる。
男性においては、2003年と2005年の変化は激しいが2005年と2008年の変化はあまりない。2005年と2008年でほとんど変化していない年代が三つの年齢層(20~29歳、60~69歳、70歳以上)もある。
これに対して女性においては、2003年と2005年の変化は男性より小幅で(50~59歳の層は例外)、2005年と2008年の変化は男性より大幅である(とりわけ40~49歳、50~59歳、70歳以上の層の変化が激しい)。
先の仮説と対応させると、2005年の反日デモに対しては、男性の50~59歳、60~69歳、70歳以上と女性の50~59歳の層が敏感に反応したと読み取れる。そして、2008年の中国製有害食品事件に対しては、女性の40~49歳、50~59歳、70歳以上の層が大きな反応を示している。ちなみに、主婦の「親しみを感じない」比率の変化を見ると、2003年47.9%、2005年58.4%、2008年74.4%で、その間の変化ポイントは10.5、14.0となっている。
(以上の他に、「外交に関する世論調査」では、地方別データ、都市規模別データ、職業別データなどがある。地方別では北海道が中国嫌いが77%と異常に高い。職業別では商工サービス業・自由業が72.2%となっている。これらの数値は、いまここで考察する余裕はない。) |